借金玉氏の本

このアカウントではフォローしてないものの(TLが必要以上にきな臭くなる為)、借金玉氏は応援し続けてきた。

 

ぶっちゃければ、たまに(暴論だなぁ)とか(そんなに必死にならなくてもいいのに)と覚めた目で見ることもあったのだが、そういうところを含めて必死に“生存”を目指している様がとてもカッコよかったし、自分にとっての叱咤激励でもあった。(思想的にも似たところがあるのも一理ある)

 

そういった氏の30余年もの「生存戦略」が端的な表現で読めるのというのは本当にありがたいことだと思う。

俯瞰的に分析された発達障害者の陥りやすい思考や、氏の経験に基づく実用的なライフハック、個別具体的な体験談などを通して、自分を苦しめてきたものの正体、性質、接し方がやっと理解できた。憑き物がとれたような感覚すらある。

古い言い方をすれば「おまいは俺かwww」とでも言うような体験談やライフハックも多々あって、自分の方向性は間違ってなかったと肯定できるようになったのは自分にとって非常に大きいと思う。ハナから人が行うような生活は出来ないと考えていたのだが、どうやら寄せていくくらいのことならできそうだ。

 

また何よりも読んでて嬉しくなったのは徒に定型発達者や発達障害者、社会とその周縁部の人間を対立させ断絶させる文章ではなかったことだ。氏の特徴的なシニカルな表現はあるものの、そうした憎しみをだたひたすらに煽る文章になってないのは、常に社会にツバを吐いている、吐かざるを得ないと思いこんでいた自分にとっても心地が良かった。

そこにはすべてを諦める必要はないし、やれることからやっていけばいいというメッセージがある。

 

歪な現代社会において、生きづらさは誰しも感じていると思うが、それが何らかの形で臨界点を迎える前に、この本が読まれるようになれば少しずつ世の中は良くなるんじゃないだろうか。

自分もADHDと向き合って、“やっていく”しかない。